原価計算が示す美容室の売上上限

原価計算が示す美容室の売上上限

原価意識を持つこと

どの業種でも原価計算をし、原価意識を持って経営をしています。

しかし、粗利の大きい美容室は昔ながらの「どんぶり勘定」で計数に無頓着な経営をしている経営者も多い。

お客様が多く儲かっているときはそれでもよいのですが、客数が少なく利益が圧迫されている現代は「経営は計数管理」であることを認識してほしい。

そのためには「自分たちがやっていること」を数値で表し分析することが必要です。

税務署は美容室の査定を「立地、いすの数、スタッフの数」で下限、平均、上限を計算し、それに外れている店は詳しく調べられることになるといわれています。


基本条件(概算)

◆営業時間= 1日8時間、1ヶ月23日

◆料 金= カラー料金 7, 000円  カット料 3,800円 パーマ料金 8,000円

◆来店回数 = カラー 3.8回 カット4.3回 パーマ 1.8回 (年間)

◆美容室は「カット、カラー、パーマの3本柱」で売上の92%を占めている。

◆費 用  = 家賃+材料費+雑費  180,000円

◆1店舗の人数= 1.8人 (オーナー1人+スタッフ 0.8人)

◆給料   = オーナー 月収 50万円   スタッフの月収 23万円(18.4万円)

◆お客様1人が支払う金額=  合計 57,340円(年間)
(内訳) 7,000×3.8=26,600円  3,800×4.3=16,340円  
8,000×1.8=14,400円


月収を50万円にするには(逆算)何人の顧客が必要か

◆1月に必要な金額:500,000円 +184,000円+180,000円=864,000円

◆1年に必要な経費:864,000円×12ヶ月=10,368,000円

◆3本柱の分担経費:10,368,000円×92%=9,538,600円

◆必要な顧客数:9,538,600円÷57,340円=167人の顧客が必要


167人の顧客を獲得するとしたら

◆全店舗の獲得数=221,894店舗×167人=37,0562,298人

◆美容室でカラーする人は33%前後、年齢が上になるとともに自宅で染める人が多くなります。

◆店舗の増加=昨年は1,821店舗も増えています。

◆カット、カラー、パーマともに来店回数は次第に減少しています。

結論 全店舗が必要とする人口はいません。

つまり「人口の減少、来店回数の減少、美容室数の増加」から客数の減少は確実でお客様の奪い合いは激化することは間違いありません。


不可能な数字を可能な数字にするには

◆お客様1人当たり年間来店回数を増やすしかありません。

◆来店回数を増やすには「他の目的できてもらう」ためのメニューが必要。

◆他のメニューできてもらうためには「お客様へのアピール」「お客様を迎え入れる体制」が不可欠。

◆つまり集客と来店回数を増やす目的のPR・宣伝、アピールしかありません。

◆そのためには「店側の意識改革」が必要です。
黙って仕事をしていてもお客様へのアピール度は低く、評価は得られません。

この数式から「いまのやり方での限界」が分かり、解決には集客 (新しいメニューで来てもらうこと)と、店の宣伝が絶対に必要なことが分かります。

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