技術力だけでは経営困難に

お客様に見捨てられる美容室

客商売とは「お客様を満足させる、満足してもらう」商売です。

だからじぶんの主観から作り上げた店の中と外を、今度は「お客様の目」で見直してみましょう。

店の外の看板、ポスター、商品の配置、ディスプレイ、習慣的に置いている雑誌や週刊誌、照明の角度や明るさ、植木、全部が客を迎え入れくつろいでもらい、安心感を与え、店のアピールをする舞台装置なのです。

休みの日にはデパートや専門店をまわって、色調やディスプレイなどを勉強して店の雰囲気をこまめにかえていきましょう。
お客様にあきられる、感動させない、動きや変化がない店にしないために。

食べ物屋がなぜ必要以上に明るくしているのか、美容室はイスなどの設備には金をかけないが、清潔感のある明るい店にしているのかを考えてみましょう。

気を配っているようですが、なんとなく古く感じたり、まとまりがない、明るさに欠ける、落ち着かない美容室が多い。

美的な感覚は年代によっても違うので、家族や親しい知人、メーカーなどの社員に率直な意見を聞いて参考にして欲しい。

とくに「重厚」とか「落ち着いた」「高級」という感覚は、年代により大きく違います。
たとえば「本革」を高級とか重厚と感じる年代、そうは思わない年代があります。
重厚を暗く重苦しく感じる人も多くなっていることを知って欲しい。

さすがは美容室という服装やおしゃれ感覚、どの年代の客にも好感を持たれる服装、客が意識して見てくれる斬新な服装、「あの美容室のオーナーはおしゃれだ」といってくれる服装や髪型。

じぶんの髪型や服装、顔も「看板」であることをいつも意識して欲しい。

４０年ほど前、薬局が大不況だった頃、店主は日焼けサロンに行き健康な顔色を作り、鏡の前で笑い顔をつくる練習をし、店、スタッフのイメージチェンジを図りました。
老け顔になっていないか、生活感がみられないかチェックしましょう。

お客様が来てくれるのが当たり前、来てくれた感謝も現さない（心で思っていてもお客様にはわからない）、さっさと仕事をし、世間話をして料金を受け取る。
こんな美容室に感動など感じませんし、お客様もあきて安い店、新しい店に行くようになります。

強いけど主役になれないプロレスラー、歌はうまいがテレビで売れない歌手、打撃はいいが守備や走るのが遅い野球選手、いくらでも例はあります。

客商売は人気商売。
お客様に好感を持たれて成り立つ商売です。

いくらハサミの技術は確かでも、暗く憂鬱な顔、老けて生活感の出た顔、俗にいう貧乏たらしい顔や老け顔は商売には向きません。

実年齢よりも若く、エネルギーがあふれて、活気ある顔や行動をするためになにが必要かを考えましょう。
年齢が上になるほど若々しさは必要になります。

男性も化粧する時代。あなたは店の看板です。
肌の色やシワなどをカバーして若く活気ある顔に見えるよう自分を磨きましょう。