いまのお客様は我慢はしてくれません。
不満があればすぐ店を変えます。
何度も書きますが「同じようなカットやサービス」なら、誰でも安い方に行きます。
しかも価格差が半額となれば、誰でも安い方に行きたがるのは当たり前のこと。
離れていくお客様は理容室のいまのやり方に不満を持っているか、低料金店や美容室の方が満足できるからそちらに移っているのです。
理容室も対策を講じていますが、中途半端、アピール不足、自己中心の域を出ないので、お客様は減っていきます。
客数を増やす、挽回するためには10倍の労力と時間が必要になります。
サービスの一部改訂や料金の見直し、など一部改訂では客離れは止められません。
技術力でお客様を増やすことはできません。
なぜなら「品物なら品質はシロウトでもある程度判断できるが、技術力は好みもあり判断がつかない」から。
また口で「われわれは技術力は確か」とか「ていねいな仕事」など説明しても、半額に近い安い価格というメリットと比較して、お客様はどちらを選ぶかを冷静に考えると、やはり価格のほうに判定があがるのは当然です。
おなじ「髪をカットする」店ですが、仕組みやルールが違います。
低料金店は「メニューが単純」で「早い、安い」で客を集めています。
そして「安かろう悪かろう」のイメージを持たせないよう、清潔で明るい店舗にし、接客にもじゅうぶん気を使っています。
この土俵で闘っても勝負にならないし負けは決まっています。
低料金店は安いカット料金にするため、客数で勝負しています。
これから低価格店が増えることで低料金店同士の客の争奪戦になり、競争は激化することでしょう。
新しいメニューを増やしても、その売上で店が潤うということにはなりません。
「足のマッサージでも」とか「白髪ぼかしでも」といった付属メニュー、苦し紛れに「でも」といった本格的でない(本人達も本筋とは考えていない)メニューは、お客様にアピールする理論武装や戦略が希薄だから。
お客様は専門性を求めています。
カットのついでに行うマッサージを専門とは考えないし、理容室自体も専門とは考えないので、客へのアピールや真剣度が希薄なのです。
だから続かない。続けないからおろそかになり、ますます客はつきません。
客に来てもらう、迎え入れるためにはメニューなど枝葉の改訂ではなく、根っこと幹の根本的な改革が必要。
意識を変えイメージチェンジをしたと客にアピールしていく「戦略」が必要なのです。
小手先の技術や一部変更では解決できません。