どの業種でも原価計算をし、原価意識を持って経営をしています。
しかし、粗利の大きい理容室は昔ながらの「どんぶり勘定」で計数に無頓着な経営をしている経営者も多い。
お客様が多く、儲かっているときはそれでもよかったのですが、客数が少なく利益が圧迫されている現代は「経営は計数管理」であることを認識してほしい。
そのためには「じぶんたちがやっていること」を数値で表し分析すること。
税務署は理容室の査定を「立地、いすの数、スタッフの数」で下限、平均、上限を計算し、それに外れている店は詳しく調べられることになるといいます。
◆営業時間= 1日8時間、1ヶ月23日
◆料 金 = カット 3,600円
◆客 数 = 1日 5.8人 (全国平均)
◆来店回数= 5.4回(年間)
◆所要時間= カットに要する時間 50分
◆費 用 = 家賃+材料費+雑費 150,000円
◆給料 = A 月収 30万円 B 月収 50万円
◆1日の売上 3,600円×5.8人=20,880円
◆所要時間 50分×5.8人=290分 実働時間 4時間50分
◆1ヶ月の売上 20,880円×23日=480,240円
◆収支 480,240円-150,000円=330,240円(月収30万円くらい)
◆1月に必要な金額 500,000円+150,000円=650,000円
◆1日に必要な金額 650,000円÷23日=28,270円
◆売上に必要な客数 28,270円÷3,600円=7.9人
実働時間 7.9人×50分=395分 6時間36分
月収50万円を確保するには1日8人の客を確保しなければならない。
(平均より2人多く確保する必要がある)
◆1人の客が年間5.4回しか来てくれない。
◆年間客数=5.8人×23日×12ヶ月=1,601人
◆顧客数 =1,601人÷5.4回=297人 297人の顧客が必要になる。
◆50万円の月収を得るには=7.9人×23日×12ヶ月=2,181人÷5.4回=404人
月収を50万円にするには404人の顧客を獲得しなければならない。
この数字(1店舗当たり404人の顧客数)は、日本の人口を超えてしまうので、不可能。
◆客1人当たり年間来店回数を増やすしかない。
◆来店回数を増やすには「他の目的できてもらう」ためのメニューが必要。
◆他のメニューできてもらうためには「客へのアピール」「客を迎え入れる体制」が不可欠。
◆つまり集客と来店回数を増やす目的のPR・宣伝、アピールしかない。
◆そのためには「店側の意識改革」がひつよう。
黙って仕事をしていても客へのアピール度は低いし、評価は得られない。
この数式から「いまのやり方での限界」がわかるし、解決には集客が必要。
新しいメニューで来てもらうことと、店の宣伝が絶対に必要なことがわかります。