自信は慢心につながり、向上心がおろそかになります。
「理容師は厳しくシャンプー法などを勉強した」これは事実なので、それについて反論はしないし技術面で優れていることは誰もが認めています。
しかし、いつ頃勉強したのか。どのような勉強したのかを聞きたい。
そのシャンプー法が「現代の客に適応し迎え入れられているのか」を真摯な気持ちで再検討してほしい。
厳しい修行をしてシャンプーやハサミの勉強をしてきました。
だから「ハサミの技術は美容師より理容師の方が上」といわれています。
でも、だったらなぜ若い男性が美容室へ移っていくのでしょうか。
とくに20代と30代の半数近くが美容室へ流れています。
この事実を理容室はどう解釈し、どう納得しているのでしょうか。
はっきりいえば理容室よりも美容室の方が満足度が高いからです。
お客様はハサミの技術だけを満足するために理容室へ行くのではありません。
接客、シャンプー、カット、スタッフの態度、店の雰囲気、あらゆる面で満足できる店を選んでいます。
それが証拠に「店を選ぶ条件」として「スタッフの服装や態度」を選ぶ条件にしているお客様が30%以上もいるのです。
技術面に固執して自信を持っている理容室と、ハサミの技術はそれほどでもないが「お客様を満足させること」に細かい気を配っている美容室。
お客様は雰囲気がソフトでサービスもよく、心地よくしてくれる美容室に満足しているから美容室の方へ行くようになるのです。
男性の理容師と女性の美容師、いろいろな面で違うのは当たり前のこと。
しかし男性の言葉には重み、説得力があり、心配りには優しさが感じられます。
大阪の言葉に「商売はおあいそ」つまり愛想、愛嬌が必要といわれます。
けっしてお世辞やおべんちゃらのことではありません。
心からお客様を迎え、居心地をよくするために気を配り、専門知識で客が望んでいることをアドバイスをする。
この心が薄れているのではないでしょうか。
来られたお客様に効率よくカットやシャンプーをして、世間話をしてお客様に話を合わせ、40分ほどで終わり料金を受け取る。
この当たり前の中に「お客様は何を感じるか」を考えなそう。
このやり方は「店側の効率」とか「いままでとおなじ停滞感」しか感じられません。
店はお客様の1人として扱いますが、お客様は自分だけを大切にしてサプライズを期待しています。