年代別の人口は60代以上がいちばん多く、その次がその子供の世代40代くらいが多いですが、それ以後は次第に少なくなっていきます。
つまり客数は増えることはないのです。
したがってこれから競争はますます激化していくと予測されます。
理容室は19年連続して店舗数が減少しており、昨年は1153店も減少しています。
つまり競争の結果経営困難になったか、力尽きて後継者もなく廃業しています。
カットのみの低料金店が増加し、既存の理容室から客を奪っています。
この傾向はますます増えており、既存の理容室は客数や売上を年々減らしています。
もっとも注目する点は「客の満足度が75%」もあることです。
これは低料金店が「安かろう悪かろう」のイメージを持たせないよう努力していることを表しており、客の囲い込みに成功しているといえます。
20代男性の利用傾向は、理容室よりも美容室を利用する人口が多くなっており、傾向として各年代層も美容室を利用する客が増えています。
この原因はいろいろ考えられますが、理容室は「じぶんに都合のいい原因」を探るのではなく、理容業界の客が低料金店や美容室に流れている原因を冷静に分析して対処するべきです。
お客様は「技術」の満足だけでなく、総合的な満足を求めており、理容は技術にこだわり「その他の満足」を軽視してきたのではないでしょうか。
お客様が店を選ぶ条件として、技術よりも「店の雰囲気、明るい店、スタッフの服装や接客態度」
なども加味しており、技術面ではハサミの技術よりもシャンプーの技術を重視しています。
特に注意したいのは「店側が考えている技術」と「客側が判断している技術」はちがうことに早く気がつくべきです。
以前は「会社に勤務する」ということは定年までの設計が予測できました。
しかしいまは定年まで雇用といったことは考えられず、リストラ、給料カットなど将来不安がつきまといます。
それに加えて100年に1度の大不況、デフレによる価格破壊など庶民の財布のひもは固くなっています。
40代の低料金店の利用が1年で5%も増加しています。
これから低料金店の利用客はますます増えていくと予測されます。
理容室は現状を低料金店や不況のせいにするのでなく、根本から経営を組み立て治すことが迫られています。
現在のやりかたで挽回できることはないと専門家は予測しています。