皮脂の組成分は脂肪酸が多く、サラサラしています。
サラサラした液体の皮脂が、毛穴をふさぎ、詰まるということはほとんど起こりません。(顔の皮脂・毛穴とは大きさが違う)
何日もシャンプーしない民族もいて、髪が汗・皮脂・汚れでドロドロになっているのにハゲている人は少ない。
まして「毎日のようにシャンプーしている日本人」の毛穴がつまるなんてことが、頻繁に起るはずがありません。
テレビの画像で「詰まっている画像」を見せられ、毛穴が詰まっているのではないかという不安を持たせてシャンプーなどを販売しているのが実情です。
毛穴の内部には常在菌がすんでいます。しかしこれらの菌は嫌気性の菌なので、毛穴の内部が酸欠状態になると常在菌が異常繁殖します。
菌はリパーゼという酵素で皮脂を分解して食べています。その分解された脂肪酸や菌の産生物による刺激で炎症やかゆみがおこり、不全角化、広汎性脱毛の抜け毛が多くなります。 このように薄毛・細毛の一因となるのです。
とくにアトピー体質の特異性として「皮脂が酸化しやすい」ので炎症が起りやすい。
シャンプーなどの界面活性剤の刺激や炎症により「毛穴の周囲が角化肥厚」して、毛穴の内部が酸欠状態になることがあります。
皮脂=粘っこいか固まった脂、と思っている人が多い。しかし皮脂は各種脂肪酸、コレステロール類、セラミドなど、たくさんの成分が含まれており、体を守るたいせつな役目を果たしています。
それを「薄毛・細毛になる」「毛穴が詰まる」といったウソや伝説を作り上げて、シャンプーなどの商品を販売するための情報操作に使われています。
それに便乗しているヘアケアのメーカーも多く、その理論を鵜呑みにしてお客様に説明していますし、宣伝しています。
余分な皮脂、古くなった皮脂はマイナスになることもありますが、「皮脂の取り過ぎ」のほうがよっぽどコワイ。
皮脂を取り過ぎることで、毎日取ることで、頭皮の防御力が次第に低下し、界面活性剤や外部からの刺激を防げない頭皮になっていきます。
そうした頭皮になっているのに、まだシャンプーを使い続けると、シャンプーの界面活性剤が毛根を攻撃し、抜けやすくなり広汎性脱毛が多くなり、 毛が細くなり、寿命も短くなっていき、薄毛・細毛になっていきます。
右の写真を見ると、よくすすいでもこれだけシャンプーが残留しています。
シャンプーした後、髪がかさついたりクシ通りが悪いと、そのシャンプーは売れません。
だから傷んだ髪にも感触をよくするため、シャンプーには「加脂剤」と「感触剤(シリコンも)」が配合されています。それらが髪をすすいだ後も髪に残る(残留する)ようになっています。
とくに不況で販売競争が激しくなったため、そうした感触の過剰なシャンプーが多く売られるようになりました。
薄毛・細毛が気になる人、親族に薄毛・細毛の人がいる人、髪が細くボリュームを気にしている人は、感触優先のシャンプーを使わない方がいい。